新型コロナウイルス、コロナウイルスの始まりと脅威と特徴

世界中で数々の猛威を振るっている新型コロナウイルス、新型とつけられているのだから前から存在していたであろうウイルスだと想像はつくが、そもそもこのコロナウイルスはいつどうやって発生したのか、元はどんなウイルスだったのかを調べてみました。

人に感染するコロナウイルス

動物と人の手

JosieLapczynski / Pixabay

コロナウイルスには人に蔓延している4種類の風邪のウイルスと、動物から感染する2種類の重症肺炎ウイルスが知られている。

風邪のコロナウイルス

※画像はウイルスのイメージです。
※コロナウイルスの画像ではありません。

ウイルスイメージ

geralt / Pixabay

人に日常的に感染する4種類のコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)は、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1である。
風邪の10~15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とし,冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験する。
多くの感染者は軽症だが、高熱を引き起こすこともある。
HCoV-229E、HCoV-OC43が最初に発見されたのは1960年代であり、HCoV-NL63とHCoV-HKU1は2000年代に入って新たに発見された。

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス【SARS-CoV】

五種類のコウモリの画像

GDJ / Pixabay

SARS-CoVとは、コウモリのコロナウイルスがヒトに感染して重症肺炎を引き起こすようになったと考えられており、2002年に中国広東省で発生し、2002年11月から2003年7月の間に30を超える国や地域に拡大した。
2003年12月時点のWHOの報告によると疑い例を含むSARS患者は8,069人、うち775人が重症の肺炎で死亡(致命率9.6%)したとされる。
当初は、この病気の感染源はハクビシンが疑われていたのだが、今ではキクガシラコウモリが自然宿主であると考えられている。
雲南省での調査では、SARS-CoVとよく似たウイルスが、今でもキクガシラコウモリに感染していることが確認されており、人から人への感染は市中や街中において咳や飛沫を介して伝播し、感染者の中には一人から十数人に感染を広げる「スーパースプレッダー」も見られた。
また、医療従事者への感染も頻繁に見られ死亡した人の多くは高齢者や、糖尿病、心臓病等の基礎疾患を患っていた人であった。
子どもには殆ど感染せず、感染した例では軽症の呼吸器症状を示すのみであった。

中東呼吸器症候群コロナウイルス【MERS-CoV】

ヒトコブラクダの画像

succo / Pixabay

MERS-CoVとは、ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスである。
しかし、種の壁を越えて人に感染すると重症肺炎を引き起こすと考えられている。
最初のMERS-CoVの感染による患者は、2012年にサウジアラビアで発見され、2019年11月30日時点で27カ国で2,494人の感染者がWHOへ報告された。
そのうち858人が死亡(致命率34.4%)した。
大規模な疫学調査によると、一般のサウジアラビア人の0.15%がMERSに対する抗体を保有していることが明らかになり、検査の俎上に載らない何万人もの感染者が存在していることが推察される。
ウイルスに感染してもその大多数は不顕性感染あるいは軽い呼吸器症状で済んでおり、高齢者や糖尿病、心臓病等の基礎疾患をもつ人に感染した場合にのみ重症化すると考えられる。
重症化した症例の多くが基礎疾患(糖尿病、慢性の心、肺、腎疾患など)を前もって患っていたことが解っている。
15歳以下の感染者は全体の2%程度であり、その多くは不顕性感染か軽症である。
人から人への伝播も限定的ではあるが、病院内・家庭内・その他一日を長く過ごす閉め切った空間内等において重症者からの飛沫を介して起こしており、年に数回程度、病院内でスーパースプレッダーを介した感染拡大が起こっているが、市中や街中で人から人への持続的な感染拡大が起こったことは一度もない。
2015年に韓国の病院で起こった感染拡大では、中東帰りの1人の感染者から186人へ伝播した。

動物コロナウイルス

動物とウイルスの画像

chiplanay / Pixabay

コロナウイルスは家畜や野生動物などの、私達の周りに棲息するあらゆる動物に感染する。
感染すると様々な疾患を引き起こすことも知られており、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、アルパカ、ラクダなどの家畜に加え、シロイルカ、キリン、フェレット、スンクス、コウモリ、スズメなどそれぞれの動物に固有のコロナウイルスが検出されている。
多くの場合、宿主動物では軽症の呼吸器症状や下痢を引き起こすだけではあるが、中には致死的な症状を引き起こすコロナウイルスも知られていて、家畜では豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、実験動物ではマウス肝炎ウイルス(MHV)、ペットでは猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)が致死的である。
コロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どないとされる。

ウイルス学的特徴

電子顕微鏡で観察されるコロナウイルスは、直径約100nm(ナノメートル)の球形で、表面には突起が見られる。
形態が王冠crownに似ていることからギリシャ語で王冠を意味するcorona(コロナ)という名前が付けられた。
ウイルス学的には、ニドウイルス目・コロナウイルス亜科・コロナウイルス科に分類されている。
脂質二重膜のエンベロープの中にNucleocapsid(N)蛋白に巻きついたプラス鎖の一本鎖RNAのゲノムがあり、エンベロープ表面にはSpike(S)蛋白、Envelope(E)蛋白、Membrane(M)蛋白が配置されている。
ウイルスゲノムの大きさはRNAウイルスの中では最大サイズの30kbである。
遺伝学的特徴からα、β、γ、δのグループに分類される。
HCoV-229EとHCoV-NL63はαコロナウイルスに、MERS-CoV、SARS-CoV、HCoV-OC43、HCoV-HKU1はβコロナウイルスに分類されている。

感染症法での取扱い

感染ストップ画像

stux / Pixabay

日本国内でSARS-CoVやMERS-CoVの感染者が見つかった場合、病気の伝播を抑えるために、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に従って感染拡大防止策がとられるようになっている。
SARS-CoVとMERS-CoVは共に、感染症法において二類感染症に分類されており、感染者には感染症指定医療機関への入院措置がとられ、陰圧管理された病室で治療を受けることになる。
同時に疫学調査が行われ、感染経路や接触者が特定される。
実験室内でのSARS-CoVとMERS-CoVの所持についても、感染症法によって規制されている。
SARS-CoVは二種病原体、MERS-CoVは三種病原体に分類されており、「所持の許可」、「教育訓練」、「滅菌の管理」において、SARSの方がMERSよりも厳しく管理されている。
SARS-CoVとMERS-CoVはいずれもBSL3(バイオセーフティーレベル3)実験室内に保管して取り扱う必要がある。
一方、風邪のウイルスHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1は特に危険な病原体ではないため、感染症法での指定は無く、BSL2(バイオセーフティーレベル2)実験室で取り扱うことができる。

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